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【建築・旅】メキシコに行ってみた|ルイス・バラガン建築漬けの2日間|写真とレポート

ずっと惹かれていたバラガンの建築。メキシコは遠いし、治安も悪いイメージがあってなかなか行きづらいところ。

担当していたプロジェクトの区切りに1週間のお休みをゲットできたので、バラガンの建築を見るためにメキシコに行ってきました。ゼネコンへの見積用図面を提出し質疑が来るまで、束の間のバカンスへ。

メキシコまでは直行便で15時間。私はカーンの設計したキンベル美術館も見たかったので、アメリカのダラス空港乗換でメキシコに向かいました。

この記事ではバラガン作品を中心に建築を延々と見てまわった2日間の工程を写真と合わせてレポートしています。

こんな人に読んでほしい

・バラガンの建築を見に行きたい方

・建築旅行が好きな方

バラガンの作品を1日かけてまわるHISの現地ツアーもありますが、予約できるものは全てまわりたいし、自分のペースでゆっくりまわりたいのでそれぞれ自分で予約をとって見学に行きました。(メキシコに行って、HISのバラガン現地ツアーを予約する人もそんなに多くないだろうから、ゴールデンウィークやお盆以外であれば、他のお客さんと同席する確率の方が低いかもしれませんが。)

ドタバタ旅行になったものの、多くの作品を貸切状態で見てまわることができたので大満足でした。心残りはトラルパンの礼拝堂を見学することができなかったこと。

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1日目はバラガン邸からスタートです!
  • 11:00
    バラガン自邸
    出展:http://www.casaluisbarragan.org/eng/en_index.html

    まずは世界遺産ルイス・バラガン自邸の見学へ。

    バラガンの自邸は作品保護のため、自由に見てまわるのではなく、バラガン財団のガイド付きで順路に沿って住宅内を見学します。

    この写真はエントランスを抜けた先にある階段室。溶岩をプレート状にした床仕上げと白色壁面のコントラスト、マティアス・ゲーリッツの金色の作品を照らすハイサイドライトの光。期待が高まります。

    幅3m奥行き7mと住宅としては大きな階段室です。ここからリビングやダイニング、キッチンへと続きます。

    見学経路は2階の衣装室やベッドルーム、屋上を経てクライマックスのリビングへ向かいます。緑

    公式webサイトで図面が公開されています。

    あのリビングにまた行きたい。いつか再訪したいです。

    *写真撮影が許可されたのが屋上のみだったので公式webページの画像をお借りしています。

  • 13:00
    ヒラルディ邸

    バラガン邸から15分ほど歩いてヒラルディ邸へ。

    こちらは玄関ホールです。スタッコの白い壁に黄土色の石材、球体のオブジェ、土着的な素材とシンプルな空間構成がかっこいいです。球体のオブジェはバラガン建築で何度か見ましたが、素材違いやサイズ違いがあり面白い。

    黄色塗られたスリットガラスを透過する光で充満する通路は幅2m×奥行11m、天井高2.4m程度。光の実験場のようです。

    照明は通路手前にブラケット照明が一つだけ。奥の扉も枠がなく、ミニマムに仕上げています。

    ミラー製の球体はバラガンが選んでここに置いたもの。シンプルな空間に土着的なエッセンスが加わって一気にバラガンっぽい。

    プールのあるダイニングスペース。住宅のダイニングといえども、100㎡程度ある大きな空間。

    赤く塗られた壁は壁式RC造の屋根を支えるために必要な壁柱だと思うのですが、構造的に必要なものに感じさせず、配置と色によってただただ美しいオブジェにしか見えないのがテクニックですね。ハイサイドから入る光もにくい。

    ヒラルディ邸はバラガンの最後の作品です。サンクリストバルの厩舎を設計して以降、事務所を畳んで隠居していた73歳のバラガンが若いクライアントからのラブコールに応えて10年ぶりに設計したのがこの住宅というのですから、恐れ入ったという気持ちです。

  • 16:00
    オルテガ邸ガーデン

    バラガン邸に隣接するオルテガ邸の庭園見学です。

    バラガンは38歳でチャプルテペック公園に隣接するタクバヤ地区に15,000㎡の土地を購入し、まず庭園をつくり始め、その後旧自邸(オルテガ邸)、自邸の設計を行います。

    高い塀で囲まれた敷地の中の庭ですが、高低差や樹木、オブジェにより古い遺跡のようでもあり、歩いていてとても楽しかったです。

  • 18:00
    ヴァスコンセロス図書館

    次はメトロに乗ってアルベルト・カラチ設計の図書館へ。

    浮遊して発光している書架がSFすぎて、写真を撮りまくりました。

  • 19:00
    ホテルへ
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2日目はホテルでタクシーをチャーターして郊外を回ります。
  • 11:00
    サン・クリストバルの厩舎見学

    サン・クリストバルの厩舎はバラガン自身が開発した上流階級向けの住宅地ロス・クルベスに位置します。

    敷地のエントランス側に住宅がありその奥に馬が足を冷やすためのプールや厩舎、グラウンドが配置されています。

    手前の白色、赤錆色2枚の壁によりフレーミングされた中庭の樹木とプールへのアングルが痺れるかっこよさです。

    バラガンはショッキングピンクのイメージが強いですが、この赤錆色も青空、緑、グランドとの相性の良い素敵な色です。

    このプールはサラブレッドが脚を冷やすためのもの。水深が奥に行くにつれて深くなるこのプールの水の色がなんとも美しい。

  • 12:00
    ロスクルベス

    高級住宅地ロス・クルベスの中にあるロス・アマンテスの噴水。

    壁が2枚組み合わされたミニマムな造形なのに小豆色に塗られたことでおおらかな印象でした。流れる水の音が心地よい公園です。

  • 13:00
    サンテリテタワー

    メキシコシティから北へ向かう幹線道路の中洲に突如現れる5本の三角形の柱。こちらは高さが30〜50mあるそうです。

  • 14:00
    Museo Jumex

    この時間はトラルパンの礼拝堂を見に行きたかったのですが、電話が通じなかったので諦めました。

    こちらはデビット・チッパーフィールド設計の現代美術館です。

  • 15:00
    ソウマヤ美術館

     

    お次はフェルナンド・ロメロ設計のソウマヤ美術館へ。こちらはMuseo Jumexのお隣です。

  • 16:00
    ぺドレガル邸

    バラガン自身が溶岩に覆われた未整備の荒野から宅地へ開発した 「ぺドレガル庭園」に最初に建てた住宅です。

    外構の一部として溶岩をそのまま残すほか、建物内部にも溶岩が突出していたり、エントランスの床材に溶岩のプレートを使ったりと、溶岩の住宅への取り入れ方が秀逸でした。

    梁や垂木を露出した天井の高いシンプルな空間とスペインの聖像や金色の球体などバラガンらしい骨董品のセレクトが調和していました。

  • 18:00
    カミノ・レアル・ポランコ

    この日はリカルド・レゴレッタ設計のホテル<カミノ・レアル・ポランコ>に泊まりました。

バラガン建築の予約方法についてはこちらにまとめています。

https://sakailog.com/mexio-2/